フィリピンの治安について
「フィリピン留学をしたいけど、ちょっと治安が心配…。」
と思ってる方も多いのではないでしょうか。
フィリピンは日本と比べると治安が良いとは言えませんが、近年は経済発展に合わせて改善されています。海外で注意すべきことを知っておけば、トラブルに巻き込まれる可能性も低いです。
こちらの記事では、実際にフィリピンでよくある事件と気を付けるポイントを解説しています。
留学前にしっかり確認して、安全な留学生活を送ってください。
フィリピンの治安レベル
外務省によるとフィリピンの治安レベルは「レベル1、十分注意」となります。
フィリピン前大統領ロドリゴ・ロア・ドゥテルテが、麻薬撲滅などの厳しい取り締まりで治安改善に努め、以前と比べて治安が良くなっています。
渡航禁止エリア「ミンダナオ島」は内戦地域で治安が悪いため制限されていますが、渡航することはないのであまり心配する必要はないでしょう。
フィリピンでよくある7つの犯罪
留学生でよく巻き込まれるのが、スリやぼったくりなどの軽犯罪です。
日本と同じような感覚で街を歩いていると、事件に巻き込まれるリスクがあります。自分が海外に来ているということを自覚して、留学生活を過ごすことが大切です。
次ではフィリピンでよくある7つの犯罪を紹介します。 事前に知っておくことで、犯罪を防ぐことができます。
- ぼったくり
- スリ
- 置引き
- トランプ詐欺
- スキミング
- 美人局
- 睡眠薬強盗
①:ぼったくり
リゾートエリア周辺のタクシーや、その他の交通機関などで、高い料金を提示してくる人がいます。
外国人観光客は高いお金を払ってくれると思われています。あまりにも高い金額の場合はハッキリ「断る」もしくは、英語が話せるなら「交渉」で安くなる場合があります。
Grab Car(Taxi)などの配車サービスを利用すると乗車する前に料金が分かり、ドライバーの質も高いのでトラブルに巻き込まれるリスクが低いです。 Grab Car(Taxi)の使い方については以下のページで紹介しています。
>> 【フィリピン】Grab Car(Taxi)配車アプリの使い方と料金を解説
②:スリ
次に留学生がよく被害に合うのがスリです。よくあるスリは以下のパターンです。
- ストリートチルドレンによるスリ
- グループによるスリ
- ジプニー乗車時のスリ
ストリートチルドレンによるスリ
フィリピンは貧富の差が激しい国です。
街によっては、家のないこどもたちが路上で生活しています。突然子どもが話しかけてきて、話を聞いている間に子ども達に囲まれ、財布や携帯を盗まれることがあります。
グループによるスリ
繁華街を歩いていると突然腕を掴まれ、気を取られた隙にスラれてしまいます。
グループは待機している仲間のバイクに乗って、あっという間に逃げ去ります。
ジプニーでのスリ
ジプニーはフィリピン人にとって、生活に欠かせない交通機関ですが、外国人がジプニーに乗る際は注意が必要です。狭い空間に密着して乗車するので、知らない間にスリに合ってしまうことがあります。
どうしてもジプニーに乗ってみたい方は、大金は持たずに携帯電話を安全な位置に確保してから乗車してください。普段はタクシーや配車サービスを使うことをおすすめします。
③:置引き
海外でバックやリュックを置いたまま席を離れるのは厳禁です。
カフェやレストランで荷物を置いたまま席を離れると、置引きリスクが高くなります。荷物は必ず手元に置いておきましょう。
④:トランプ詐欺
トランプ詐欺は東南アジアで多い詐欺の手口です。
ショッピングモールなどで親切そうに話しかけてくる人には注意してください。
「片言の日本語で話しかけて来たり。」
「日本人の知り合いがいる。」
「書類の作成を手伝って欲しい。」
など手口は様々です。
自宅に招待されてカードゲームをしようという流れになり、最初は勝たせてもらえるのですが、最終的には負ける仕組みです。負け込んでしまうと逃げられなくなり、負けた金額を現金やクレジットカードで支払わされます。
⑤:スキミング
スキミングとは特殊な装置を使って、クレジットカードの情報を抜き取ることです。
フィリピンでもレストランやショッピングモールなどでクレジットカードが使えます。ただし、ローカルなエリアでのクレジットカードの使用はスキミング被害のリスクがあるので控えましょう。
「日本に帰国後に行ったこともない国で、知らない利用明細が…。」
なんてことも。
⑥:美人局
美人局はフィリピンの首都マニラで多い事件です。
フィリピンでの未成年の売春が「無期懲役」という国の法律を逆手に取った犯罪です。ショッピングモールで若い女性に声をかけられ同行すると、お金を出すよう恐喝され、断ると男性グループが現れ、脅されてお金を取られます。
⑦:睡眠薬強盗
睡眠薬強盗はフィリピンの首都マニラで多い事件です。
「日本に友達がいて相談に乗って欲しい」などフレンドリーに話しかけらます。話を聞くと「一緒に食事をしよう」という流れになり、食事後に意識を失い、財布や携帯を盗まれるパターンです。
フィリピンで気をつける6つのポイント
次はフィリピンで事件に巻き込まれないための5つのポイントを紹介します。
- 夜はなるべく一人で歩かない
- 財布は分けて、大金は持ち歩かない
- 現地用の携帯電話を準備する
- 突然話しかけてくる人についていかない
- パスポートのコピーを持っておく
①:夜はなるべく一人で歩かない
夜の一人歩きはできますが、できる限り控えましょう。路地裏など行くと薄暗く、野良犬がいたりすることもあり危険です。
特に女性の方は夜道は一人で歩かないようにしましょう。
②:財布は分けて、大金は持ち歩かない
財布を失くした時に困らないように、財布を分けておくのがおすすめです。
海外で使用しない免許証や保険証など、必要のないものは持ち歩かないようにしましょう。
③:現地用の携帯電話を準備する
日本で使っている携帯電話を失くすと面倒です。現地用の携帯電話を準備することをオススメします。
安いのであれば、現地で1万円以内で手に入ります。家にあるSiMフリーの古い携帯電話とかでも大丈夫です。
④:突然話しかけてくる人についていかない
突然日本語で話しかけてくる人や、たとえフレンドリーな人だとしても、簡単についていかないようにしましょう。
⑤:パスポートのコピーを持っておく
パスポートを紛失した場合のために、パスポートのコピーを準備しておきましょう。
万が一パスポートを紛失した場合については、以下のページで紹介しています。
万が一トラブルに巻き込まれそうになって場合の対処法
トラブルに巻き込まれそうになった場合は、以下の2つのことに気を付けてください。
- スラれても相手を無理に追いかけない
- タクシーなどで少々ぼったくられても、怒鳴ったり、相手を挑発するようなことを言わない
- 知らない家に入らない
スラれても相手を無理に追いかけない
スラれた際に無理に追いかけると近くに仲間がいる可能性もあるので危険です。携帯電話であれば、海外旅行保険の補償が適用されます。
特に体を鍛えている人は力に自信があるため追いかけてしまい、事件に巻き込まれる場合があります。(フィリピンではないですが、実際に現場に遭遇した経験があります。)
タクシーなどで少々ぼったくられても、怒鳴ったり、相手を挑発するようなことを言わない
海外ではタクシーのぼったくりが多いです。指摘はOKですが、怒鳴ったり、相手を見下すようなことはしないようにしてください。料金が少し高い時は「日本のタクシーと比べたら安い」くらいの気持ちでいましょう。
知らない家に入らない
家に入ってしまいうと逃げれなくなります。親切な人だでも見知らぬ人に家に簡単に入らないことです。家に招かれそうになった場合は、上手な理由で断りましょう。
「相手が悪いのに何で?」と思われる方もいると思いますが「海外で事件に巻き込まれないためのポイント」として覚えておきましょう。
フォリピンでトラブルに巻き込まれた場合の緊急連絡先
フィリピンでトラブルに巻き込まれた場合の緊急連絡先となります。
留学生であれば、まずは学校スタッフに連絡しましょう。現地に詳しいスタッフがサポートしてくれます。語学学校、学校スタッフの電話番号は必ず登録しておいてください。状況によっては日本大使館・領事館に連絡しましょう。
【マニラ】在フィリピン日本大使館
住所 | 2627 Roxas Boulevard, Pasay City, Metro Manila, 1300 |
代表電話 | (02)8551-5710 |
FAX | (02)8551-5780 |
領事班直通電話 | (02)8834-7508(日本語) ,(02)8834-7514(英・タガログ語) |
領事班直通FAX | (02)8551-5785 |
メールアドレス | ryoji@ma.mofa.go.jp |
開館日 | 月曜日~金曜日(祝祭日を除く) |
電話受付時間 | 8:30~12:30,13:30~17:15 |
窓口申請受付 | 8:40~12:00,13:30~16:30 (旅券・証明・戸籍・国籍・在留届・在外選挙窓口)※査証を除く |
交 付 | 9:30~12:00,13:30~15:30 |
【セブ】在セブ日本総領事館
住所 | 8th Floor, 2Quad Building, Cardinal Rosales Avenue, Cebu Business Park, Cebu City 6000, Philippines |
代表電話 | (032)231-7321,231-7322 |
FAX | (032)231-6843 |
メールアドレス | cebucoj@ce.mofa.go.jp |
開館日 | 月曜日~金曜日(祝祭日を除く) |
電話受付時間 | 8:30~12:30,13:30~17:15 |
窓口申請受付 | 8:40~12:00,13:30~16:30 (旅券・証明・戸籍・国籍・在留届・在外選挙窓口)※査証を除く |
交 付 | 9:30~12:30,14:00~16:30 |
【ダバオ】在ダバオ日本総領事館
住所 | 4th Floor, BI Zone Building, J.P. Laurel Avenue, Bajada, Davao City 8000 |
代表電話 | (082)221-3100 |
FAX | (082)221-2176 |
メールアドレス | cojd2@dv.mofa.go.jp |
開館日 | 月曜日~金曜日(祝祭日を除く) |
電話受付時間 | 8:30~12:30,13:30~17:15 |
窓口申請受付 | 8:40~12:30、14:00~16:30 (旅券・証明・戸籍・国籍・在留届・在外選挙窓口)※査証を除く |
交 付 | 8:40~12:30、14:00~16:30 |
フィリピンの地域ごとの治安はどうなの?
留学先の語学学校周辺の治安が気になる方もいらっしゃると思いますので、フィリピンの地域ごとの街の情報と治安をまとめています。
フィピンの主な地域
- セブ島
- マニラ
- ダバオ
- バギオ
- イロイロ
- バコロド
- クラーク
セブ島の治安
セブ島は観光リゾートや留学など、フィリピンの中でも多くの外国人が訪れる有名な地域です。
凶悪な犯罪は少ないですが、外国人観光客が多いことから、スリやぼったくりなどの軽犯罪が多いです。
マニラの治安
マニラはフィリピンの首都です。貧富の差が最も激しい地域で、場所によって治安が大きく異なります。
マカティなどのビル群が連なるビジネスエリアは、セキュリティがとても厳しく、比較的安全です。ただし、少し移動すると雰囲気が変わり、ストリートチルドレンやホームレスがしゃがみ込んでいる治安が悪いエリアもあります。
フィリピンの中で最も犯罪が多い地域なので、注意しましょう。
ダバオの治安
ダバオはフィリピンの中でも治安が良い地域です。
街の中に物乞いがいなかったり、街の人やタクシードライバーも親切です。また、ドゥテルテ元大統領の出身地でもあり、治安改善が行われたのも影響しています。
バギオの治安
バギオは標高1,500mの高原リゾート地で、フィリピン人の避暑地として有名なことから比較的治安は良い方です。
フィリピンの教育学園都市でもあり、優秀な大学生やアーティストが集まります。スリやぼったくりなどの軽犯罪は時々ありますが、犯罪に巻き込まれる可能性は低いです。
イロイロの治安
イロイロは「カジノ禁止」「ストリートチルドレンをなくす」「スラムをなくす」の安心の街づくりを目標を掲げている街です。
ニュータウンの開発が進んでおり、フィリピンの中でも治安が良い街として知られています。
また、バギオと同じく教育に力を入れている地域で、フィリピン大学(国立)やウエストビサヤ州立大学などフィリピントップクラスの大学が多くあります。
バコロドの治安
バコロドはバーやクラブなどの娯楽施設が少なく、他の都市と比べると田舎の地域で治安が良いです。
人が穏やかで親切なので、のんびり過ごすことができます。安全を重視するならバコロドはおすすめの地域です。
クラークの治安
クラークは元々アメリカ軍の空軍基地として使用されていた地域ですが、現在は経済特区として発展を続けています。
クラークの入り口にはゲートがあり、24時間体制でセキュリティが強化されています。ストリートチルドレンや不審な人物、ジプニーの進入も禁止しています。
フィリピンの中でもセキュリティの厳しく、安全な地域の一つです。
まとめ:フィリピンでは海外旅行者ということを忘れずに
海外旅行となるとつい開放的な気分になり、羽目を外してしまいがちです。
特に語学留学で長期滞在の場合、最初は緊張感がありますが慣れてくると「レストランやバーで酔い潰れるまで友達とお酒を飲んでしまって、財布を無くしてしまった…」など、注意散漫になってしまう生徒さんもいらっしゃいます。
フィリピンでは海外旅行者の一人ということを忘れずに、充実した留学生活を送りましょう。